中級編 vol.2 「競輪の醍醐味=レース展開を考えて予想する:応用編その1」
2018/11/08 18:00
ウエノミツアキ
「2段駆けは頭鉄板」「先行1車は黙って買え」とは?
<中級編vo.1基礎編のおさらい>
☆1番強いラインが捲るなら、そのまんま①②③か、先行ラインの番手残りの①②⑤
★1番強いラインが先行なら、そのまんま①②③か、別ラインの捲りが届いて①②④
前回はオーソドックスな3分戦での基本的な展開予想をお伝えしました。
以下のような並びにおいて……。
・1番目に強いライン:①(先行)②(追込)③(追込)
・2番目に強いライン:④(捲り)⑤(追込)⑥(追込)
・3番目に強いライン:⑦(捲り)⑧(追込)⑨(追込)
①>②という実力差ならば、上述したおさらいのような買い目が基本となります。
これが①と②の実力に差があまりない場合、“裏目”も押さえなくてはなりません。
最後に番手の選手が“差す”ので“差し目”とも言いますが、①-②だけではなく、②-①の目(車券)も買っておくべきだということです。
①-②と②-①を合わせて①=②とも書きます。これを「1着2着①、②の表裏」などと言います。
3連単①②③と②①③の場合、①=②-③と書けば双方を意味することになります。
さて、問題は①<②という実力差だった場合。
開催場、みなし直線の距離、雨、風などにもよりますが、それらは上級編で説明するとして。基本的には……。
・ラインが先行するなら、ほぼほぼ②-①でOK。
・ラインが捲るなら、裏も押さえて①=②。
先行する場合は先頭で引っ張る選手が脚を使うので最後はタレると予想し、②が差して②-①。
捲りの場合は先頭の①が道中、脚を使ってないので1着残り目もあるから①-②も押さえで買うということです。
ちなみに①<<②と実力差がはっきりしている場合は……。
・ラインが先行するなら、②-①か②-③まで。
・ラインが捲るなら、ほぼほぼ②-①でOK。
先行するなら①がタレまくって3番手の③が2着に入ることも考えられるということ。
ただし②-③で鉄板となるパターンも実はあります。それは②が先行捲りの選手だった場合。通常ならば……。
・1番目に強いライン:①(先行)②(追込)③(追込)
という並びになるように番組は編成されます。先行、捲り、追込の選手がバランス良く並べられてラインを組みやすいようにします。しかし準決、決勝などで先捲りが得意な自力型の選手が多数残ってしまった場合、このような変則的なラインになることがあります。
・1番目に強いライン:①(先行)②(追捲)③(追込)
通常、番手の選手は先頭の選手に最後の直線まで付いていき、ゴール線の手前から差すという戦術で1着を狙います。しかしこの場合、2番手の選手も自力で捲ることができる。ならば最後の直線まで待たなくても、最終バックで疲れ気味の先行選手を見限って、2番手から発進できる。
それを“2段駆け”ないし“2段ロケット”と言います。
①は若手の場合がほとんどですが、スタートから前団に構えてつっぱり先行をさせた上に“死に駆け”をさせて、最終バックでタレてきたところで②が2段駆け。3番手の③を引き連れて楽々ゴール線へ入っていけるというわけです。なので……。
「2段駆けは頭鉄板」
という格言が存在します。競輪にはこのように“あるある”な展開パターンを一言で言い表した格言がいくつかあるので知っていると予想に役立ちます。他にもこんな格言。
「先行1車は黙って買え」
恐らく競輪の格言で最も有名なものでしょう。例えば4-3-2の3分戦で、こんなライン構成の場合……。
・①(先行)②(追込)③(追込)④(追込)
・⑤(追捲)⑥(追込)⑦(追込)
・⑧(追捲)⑨(追込)
逃げる先行の選手が1車なので“逃げイチ”とも言うレース。①のラインが他のラインより強くなくても、①の選手がさほど強くなくても、①が1着か2着になる可能性は非常に高いです。
競輪は先行捲りの選手たちによる駆け引きでレースが展開します。その駆け引きをする選手が1人しかいない。つまり駆け引きすることなく、マイペースで走ることができるのです。そうなれば①の1着か2着、すなわち2連対は堅い。ここで問題となるのは、番手の②が①に付ききれるかどうか。
自力型でない追込の選手は先行選手の番手に付きたい。それが1車しかないのだとしたら、支部やエリアの垣根を越えても番手に付きたい。結果、“競り”で番手を取り合ったり、“飛びつき”で番手を奪おうとしたりする可能性が高いです。
上記のライン構成なら①の番手を②が主張するも、⑤や⑧が競ったり、飛びついたりすることが考えられます。“競り”の場合は先日の選手コメントで言うのが習わしなので、例えば周回予想にはこのように表示されているでしょう。
④と⑤の両方が①の番手を取るとコメントしたことで“競り”になるとした周回予想はこのようになります。
話を戻しますと、“競り”にはなっておらず、実力的に②のほうが⑤や⑧よりも強いのであれば、①②の並びが崩れないので①-②が本線。①<②ならば差し目の②-①も押さえるという買い方でOKになります。
<ここが重要!>
「2段駆けは頭鉄板」
「先行1車は黙って買え」
というわけで今回は、競輪あるあるに沿った格言を基に、変則的な展開での買い目を紹介しました。
次回はさらに変則的だけど、わりと“あるある”な展開予想をお伝えしたいと思います。